But not to me

世界の謎を解こうにも、答えを持っていたかもしれない人はすでに死んでいる/未亡人の一年/ジョン・アーヴィング

旦那さんは空から見守ってくれてるよ的なこと言われると、いやそんなファンタスティックな域にまで達してないよ、こちとら銀行とか保険屋とか年金とかの現実的な手続きやらされてめっちゃ疲弊してるんで

もうタイトルのまんまなんだけど、たまにラインがくる同級生とか、こういうふわっとしたこと言ってきがちじゃない…?

 

空から見守るとか星になったとかさ、古代の神々じゃないんだから一般的な日本人がちょっと若くして死んだぐらいでそんなことになるわけなくない?

焼かれて骨の粉になって、分骨してもらったぶんを持ってる身からすると、そういう幼稚な想像力って、他人ごとだから言える部分あるよね。

 

大人として現実世界をサバイブする当事者じゃないとわかりづらいと思うけど、こちとら銀行で相続の手続きしたり夫の車を廃車にしたり、日常的な死亡届をさんざん書いてさんざん提出してんだからさ、現実に疲弊した脳ではお空の星になったとかまったく思えないし、だいたい幼児に言う感じで大の大人にそういうこと言うのもちょっと失礼じゃない?

わたしが女だから、死んだのが夫だからそう言われがちな気もするし、「ひとの思いやりなのに、まにうけて言葉狩りするなんて」とか、まとはずれなこと言われるだけだから、現実ではそりゃ指摘しないけど、うちの夫は空から見守ってくれるなにかになったわけでも星になったわけでも風になったわけでもない。

 

死んだんだよ。甘い言葉に変換されると心が落ち着く人もいるけど、わたしは違う。

わたしの夫は死んで骨のかけらになった。無。以上。